前回のチェット・ベイカートリオのJust friendsのベースソロに続いて、今回もチェット・ベイカートリオの演奏でLeavingです。

後期のチェット・ベイカーはスタンダードの宝庫
チェット・ベイカーはドラッグに溺れて以降、1975年くらいからはヨーロッパで活動するようになります。
亡くなったのは1988年で享年58歳です。
晩年の映像を見ていると、見た目には80歳くらいに見えますが、なんとまだ50代という若さだったのですね、、
このヨーロッパに移り住んでからの後期の演奏では、実に様々な曲を演奏しています。
YouTubeでスタンダードナンバーの曲名を入れて検索すると、かなりの確率でチェット・ベイカーの演奏が出てくるくらい、チェット・ベイカーは色々な曲を演奏して残しています。(残っています)
チェット・ベイカー=マイ・ファニー・バレンタイン
こんなイメージしかない人には、かなり意外というか多彩な曲を、チェット・ベイカーは演奏しています。
例えば、チャーリー・ヘイデンの「Ellen David」や「Silence」、ハンコックの「Dorphin Dance」もやっていますし、「Estate」なんかもやっていますね、、
チェット・ベイカーの演奏は、選曲も良いですし、演奏自体も素晴らしいものばかりなのでとても参考になります。
リッチー・バイラーク「Leaving」
そんな中、今回はRichie Beirachの「Leaving」です。
Leavingはかなりたくさん演奏が残っていますが、前回のロニースコットのライブ版と同じベーシストのRicardo Del Fra(リカルド・デル・フラ)が演奏しているもので、ギターはPhilipp Catherine(フィリップ・カテリーヌ)という組み合わせ。
Ricard del fraの演奏だと1980年の演奏もありますが、今回は1986年のライブ版。
フィリップ・カテリーヌが、ゴキゲンなソロを取ってから、続いてチェット・ベイカーが取りますがチェットのソロは短めで、ベースのリカルド・デル・フラに回ります。
このリカルド・デル・フラのベースソロもゴキゲンな演奏で素晴らしいです。
採譜してみて
ベースソロのサイズも4コーラスと長めに取っています。1コーラスが16小節なので64小節のソロになります。
但し、チェットのソロの終わり部分との兼ね合いで1コーラス目の前半はベースソロはしていません。
ベースソロ自体が、他のパートのソロの耳コピーに比べると聞き取りにくいのでやりにくい上に、コントラバス(ウッドベース)はピッチが狂いやすいのでかなり採譜しにくい楽器だと言えます。
でもこのRicardo del fraは音程も良いですし、何よりも音色がソリッドな感じなので聞き取りやすいので、かなりやりやすい方です。
テンポは90くらいで、この曲ではちょうど良いテンポです。
このくらいのテンポだと、耳コピーして譜面にすると譜割が複雑で難しいのが、採譜していて辛い点です。
なので、音を取る事よりも譜割を考える方が正直大変です。
譜割を、手で太ももを叩きながら考えている間に、拾った音を忘れてしまうこともあります、、、
自分は大体1小節ずつ耳コピーして、Musescoreに打ち込んでいきますが、この曲くらいのテンポでこのソロみたいな音数だと2拍ずつくらいで耳コピーすることが多いです。
この時に、次のフレーズを聞きながら音は取らないで、まずは譜割を先に考えます。
コピーしたいフレーズを口ずさみながら、手で太ももを叩いて譜割を考えます。
譜割が分かったら、Musescoreに入力します。
音名はまだ取っていないから、分からないので全部ドとかで構いません。
あとは、ゆっくり再生させてひとつずつ拾ってMusescoreに入力すればOKです。
このように音名を拾う作業と、譜割を考える作業は分けた方が、今回の曲のようなスローテンポでバリバリ弾いているようなソロの採譜には向いていると思います。
自分の場合は、音はエレピ(キーボード)で拾います。でも音程が悪くて良くわからない時や、手癖的な経過音のようなものは、コントラバスで拾った方が簡単な時もあるので、ピアノで分からなければコントラバスで音を拾っています。
Musescoreの話などは下記の過去記事をご覧ください。

今回のリカルド・デル・フラのソロも前回のJust friendsに引き続き素晴らしい演奏です。
これが当時30歳の演奏かと思うと、、、才能なんですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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